私が途方に暮れていると、秋葉の横顔が目に入ってくる。

 そういえば秋葉、水族館で、今度お給料が入ったら一緒にお洋服を買いに行こうって言ってたよね。

 明日はその給料日。

 そっか、秋葉に選んでもらえばいいんだ!

「秋葉!」

 私は思い切って秋葉に声をかけた。

「ん、何」

「秋葉、お洋服を買いに行くの手伝って!」

「洋服?」

「そ、そう。ほら私、あんまりお洋服持ってないでしょ? 水族館で約束したじゃん」

 秋葉は私の言葉を聞くとニヤリと笑った。

「ははあ、ようやくお前もオシャレに興味が出てきたのか。この間の私服は酷かったしな」

 そ、そんなに酷かった?

「いいぜ、一緒に行ってやる。ニセとはいえ、俺の彼女がダサいのは困るしな」

「本当!? ありがとう!」

「じゃあ、次の休みにでも」

 やけに上機嫌で去っていく秋葉くん。

 あ、合コンに着ていくための服だってこと、言うの忘れてた。

 ……まあ、いいか。

 なんとなくだけど、秋葉には合コンに行くことは相談したくないし。

 言うと絶対に馬鹿にされるに決まってるもんね。