元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。




 ルシウスは部屋の中央に置かれた、質素な椅子に腰かける。



「まずは礼を言わねばなりませんね。ジョシュアさんの件、ありがとうございました」

「はい……。ていうか、やっぱり真相わかってましたよね⁉」



 ルシウスが黒瀬の記憶を持っていると聞いて確信に変わった。あの名探偵が、シエラにわかる程度のことをわからないはずがない。

 先ほどは誤魔化すように否定されたが、今回はあっさりうなずいた。



「ええもちろん。手紙に関しては身内の人間が書いたものだとわかっていたから、大事にならないよう細心の注意を払っていました」

「先代の死因についても?」

「スズランに毒があることを教えたのは俺ですよ」

「あ、そうでしたね。……ていうか!思い出しましたよ!私が例のお菓子を誤嚥して苦しんでたとき、黒瀬さんこっそり笑ってましたよね!?あのお菓子渡してきたの絶対悪意ありましたよね⁉」

「何を言います。あれは君にヒントを与えようという純粋な善意が60%ですよ」

「じゃあ40%は悪意じゃないですか!」