「ううぅ……会いたかった……本当に会いたかったですよぉ黒瀬さん!!今まで何で会いに来てくれなかったんですかあぁ……」
決心した数十秒後に涙腺が崩壊した。
ルシウスにぎゅっと抱き着いて、それはもう、顔をぐっちゃぐちゃにして泣いた。
「なんて顔してるんですか。今の君は伯爵令嬢なのでしょう?身分の高い女性がして良い顔には見えませんが」
「だってぇ……前世のこと思い出してからずっとずっと会いたくて……本っ当に会いたくて……」
えっぐえっぐとしゃくりあげるシエラを、ルシウスは少しからかいつつも優しく抱きしめた。
彼が愛おしそうにシエラの後頭部を撫で、小さな声で「ようやく……」と呟いたが、泣いて文句を言うのに忙しい彼女には全く聞こえていなかった。
──軽くニ十分以上は、ずっとそうしていた。
一通り文句をぶつけ終えたシエラがようやく落ち着きを取り戻したのを確認し、ルシウスがパッと手を離した。
「昔話に花を咲かせたいのは山々ですが、とりあえず現在の話をしましょうか、シエラ嬢」



