レオンのおかげで少し和んだシエラは、読みづらい手紙を改めて手に取る。 「この字の雑さは、筆跡から特定されないようにしているのでしょう。となると、普段の字だとルシウスさんたちに特定されてしまうような人物。つまりこの商会で働いている人だったり、取引先であったりと身近な人である可能性が高いですね」 シエラはゆっくりソファーから立ち上がった。 「とりあえず、今ここにいる三人から順番に話を聞かせてください」