元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。




「ルシウスさん!やっと見つけた」



 シエラと別れたレオンは、静かに本を読んでいたクレイトン商会の長、ルシウス・クレイトンの元へ駆け寄った。

 細身で、同性のレオンでも油断すれば見惚れてしてしまうような美形。壁に寄りかかりながら本を読むという仕草だけでも妙に人目を惹いている。



「レオン。遅い……と言いたいところですが、あなたが道に迷うことは想定済みでした。むしろ、思ったより早く会えましたね」

「まあ色々あってさ。あ、これ言ってた外国の本。ちょっと割引してもらったよ」

「ありがとうございます。あそこの古書店、以前値切りすぎたせいで俺はほぼ出禁状態なんですよねぇ。やはり人を油断させるあなたの容姿は役に立ちます」



 今日、レオンはルシウスと二人で街まで出てきていた。必要な本を売る古書店を出禁にされているルシウスの代わりにレオンが受け取りに行く間別行動をしていて、最終的な待ち合わせ場所がここだったのだ。この狭い区間に劇場はいくつかあるためすっかり迷ってしまっていた。

 帰りましょうか、というルシウスの言葉に頷き、並んで歩き出す。