レオンの話を聞いていて、シエラはふと思い出した。
それは前世のこと。自分もそうだった。
とある事件により生きていく当てを失った静奈は、「探偵助手」として雇われる形で黒瀬に拾われたのだ。
あれは気まぐれだったのか責任感からだったのか──。結局拾ってくれた理由を教えてもらうことはなかったが、静奈は恩を感じていて、黒瀬のためならば何でもしようと心に決めていた。
レオンは、そんな前世の自分に似ている気がした。
「……じゃあその商会長さん、早く探さないといけないわね」
シエラはそう言って微笑み、レオンの手を取って立ち上がった。
「商会長さんの特徴は?どこで落ち合う予定だったの?」
「ルシウスさんは、背が高くて細身で、髪は茶色。待ち合わせてたのは劇場の前の広場だったよ」
なるほど、確かにレオンがシエラにぶつかった場所の近くに小さな劇場がある。
だが、待ち合わせに使うような広場のある劇場はまた別の場所のことだろう。シエラはレオンの主が待つであろう場所に当たりを付けて歩き出した。



