シエラは思わずこぼしてしまった言葉を誤魔化すように、話題をレオンに移した。
レオンは少し考える素振りを見せた後、肩をすくめて「大したことはしてないよ」と言う。
「ルシウスさん……商会長の補佐みたいな」
「え、すごいじゃない。その歳でそんな重要なポジションなんて、よっぽど優秀なのね」
「すごくないよ。やってることほとんどただの雑用だし。商会長のすぐそばで働いてるのは、家族がいなくて行く当てのなかった僕を気まぐれで拾ったのが商会長だったからだよ」
「拾った……あ、ごめんなさい」
どうやらレオンは少しばかり訳アリらしい。
辛いことを思い出させたのではないかと思わず謝ったが、彼はむしろ嬉しそうに言った。
「そう!あんな良い人に拾ってもらえてラッキーだったよ。たまに難しくて何言ってるかわかんないことあるし人使いは荒いけど、あの人のおかげで今生きられてるから」
レオンの生き生きとした声から、彼がいかにその商会長のことを尊敬しているのかが伝わってくる。



