元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。




「肘の傷、見せて」



 そう言ったシエラはささっと慣れた手つきで傷の手当てをする。

 それを終えると、先ほど買ったお菓子を一つ取り出して少年に渡した。



「うわあ!美味しそう!普段こんな高級なお菓子食べることなんてないからなあ。あ、僕の名前はレオン。お姉さんの名前は?」

「シエラよ」

「シエラお姉さん!このお菓子、めちゃくちゃ美味しい!」



 レオンはそんな言葉通り、本当に美味しそうに焼き菓子を頬張る。微笑ましくて、シエラは思わず「もう一つどう?」と追加で渡してしまう。



「レオンくんはいつもはどんなお菓子を食べてるの?」

「ふつーだよ。キャンディーとかクッキーとか」

「へえ、いいわねクッキー。あ、そういえばここから見えるあの店、確かクッキーの店だったわね。せっかくだから今から買って来ようか」



 そう言って立ち上がったのだが、それを見たレオンが慌てたように言った。