理解した。
今までも、シエラの元にお見合いの話が来ることはあった。それが実現されなかったのは、甘い父がシエラのわがままを聞いてくれていて、なおかつ父もシエラを手放すのを嫌がっているからだと思っていた。
しかし実際は、それまで話が出た男性は父のお眼鏡に叶っていなかっただけだったのだ。
父は、シエラがラドクリフ侯爵の元へ嫁ぐことを望んでいる。家の繋がりももちろん大切だが、何より彼の元へ行けばシエラが幸せになると思っているのだろう。
「お父様のお心遣いはよくわかりました」
シエラは静かに目を伏せて言った。
「大丈夫です。ちゃんと前向きに考えます」
「そうか。まあ、そうは言っても、どうしても合わないというなら無理強いするつもりはない。時間をかけて、きちんと向き合って決めなさい」
「はい」
正直、ラドクリフ侯爵のの甘い言葉を全て本心であると思うほどおめでたくはない。しかし、家の繋がりなど損得を考えた結果であっても、シエラを妻に迎えたいというのは本当なのだろう。



