二つの記憶が同時にある状態だった。今まで7歳だったのに突然25歳になったかのようにも、今まで25歳だったのに突然7歳になったかのようにも思えた。
普通なら、大いに狼狽え、熱でも出して三日ほど寝込んでもいいような状況だ。
しかしそうはならなかったのは、もっと別のショックを受けたからだった。
「そうか。俺は生まれ変わったのか。──はは、なるほど。あの世へ行って静奈くんと再会することは許されなかったわけですか」
そのことに気付いて自然と涙が溢れそうになったのは、やはり子どもらしく涙腺が緩かったからかもしれない。
黒瀬蒼也の記憶を取り戻したこと。きっとこれは罰なのだろうと思った。
静奈がいないどころか、静奈が生きていたという痕跡すらないこの世界。ここで生きていかなければならないという罰。
当然だ。黒瀬のせいで死ななくていい静奈が死んでしまったというのに、都合よく再会させてもらえるわけがない。



