元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。




 そこで黒瀬が呼ばれた。

 黒瀬は女性の言動などから疑いを持ち、一つずつアリバイを崩したり隠滅しきれなかった証拠を見つけ出したりしていった。

 もう少しで十分な証拠が出そろう。そんな折に、女性は殺しを告白する遺書を残して自ら命を絶ってしまった。人を殺してしまった罪が露呈するかもしれないという恐怖、それから上司の男に犯されたという事実を恋人に知られてしまうかもしれないということに耐え切れなかったのだ。


 そしてその女性の恋人だったのが、電話の向こう側の酒田圭司という男だった。



「目的は俺への復讐ですか。しかし事件当時は俺と知り合いですらなかった静奈くんを巻き込むのは理解に苦しみます」

『ああ。オレの狙いはあくまで貴様だ。この女には悪いと思ってる。だが、彼女を死に追いやっておいて、自分だけのうのうと幸せに生きていることが許されると思うなよ!』



 酒田は一度言葉を切り、いくらか興奮を落ち着けてから続ける。