「僕さ、シエラお姉さんのこと割と真面目に好きなんだよね。伯爵家のお嬢様だし、さすがに相手にされないってわかってるけど。でもさ、ルシウスさんは僕よりずっと本気じゃない?」
「……」
「今の態度もそうだけどさ、ちょっとくっついただけで目の色変えたり、かなり露骨だよね」
ルシウスは腕を組んで目を閉じ、自嘲気味に唇の端を上げた。
「さあ、どうでしょうね」
「はぁ?この期に及んで否定するの?」
「少なくとも、レオンが思っているような『好き』とか『恋』といったような美しい感情とは違います」
……長い間、会えるわけもないのに想い続けていた人の生まれ変わり。
彼女への気持ちを、そんな美しい言葉で表すのには抵抗があった。
「これは、恋心なんかよりずっと黒く醜い執着心です」



