シエラは薬包紙を袂に隠し、元から箱に入っていた手紙を戻していく。
この手紙はカムフラージュのためのもので、友人などとやり取りをしたものばかりのようだ。
……と、思ったが、その中に一つだけ、華やかさに欠ける封筒があることに気が付いた。
封筒はかなり膨らんでおり、かなりの量の手紙が入っているようだった。
何となく気になって、中身を一枚取り出してみる。紙は華やかさには欠けるものの、ずいぶん上質で、ほんのりと甘い花のような香りがした。
そしてシエラは、その内容を見て息を飲んだ。
「これって……」
○
マルガリータの部屋を出て、元の部屋へ戻ると、やはりなかなかお手洗いから戻ってこないのを心配されていたようで、使用人から最初のものよりさらに温められた紅茶を渡された。
それを有難く飲んでいると、ようやくルシウスとデマール男爵も戻ってきた。
「いやあ、お騒がせしました。大切な物だからと小さく畳んでポケットにしまっておいたのをすっかり忘れていたようですねぇ」
こちらも適当に言って切り上げて来たらしい。



