元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。




 違法な物は、トラブルを起こしやすい。

 もし本当に薬物を使用しているのだとしたら、それを入手する過程で何か揉め事があり、消されてしまったという可能性も高くなる。



「あ、この部屋怪しいかも」



 こういった屋敷では、基本的に私室は上の階にある。それはここも同じで、こっそり階段を上った先に、一段と立派な扉の部屋があった。

 恐る恐るドアノブに手を掛ける。鍵はかかっていなかった。

 部屋の中はかなり埃っぽかった。設置されている家具は上等な物で、ドレッサーなどは明らかに女性物だ。マルガリータの部屋で間違いなさそうだ。


 シエラは机の引き出しやドレッサーの中、ベッドの下に至るまで、くまなく捜索した。

 そして──



「……本当にあった」



 見つけたのは薄い茶色の薬包紙。中身は、独特な匂いのする白い粉だった。

 入っていた場所は、机の中にあった手紙入れ。その箱は二重底になっており、この厳重な隠し方からして、普通の医薬品である可能性はまずないだろう。