『request』短編集



『この間彼氏出来たって言ってなかったっけ?』

「あ〜それならとっくの前に別れたよ」

『えっ!?』

「付き合ってみたらちょっと違うなって。一回そう感じちゃうと嫌なところばかり見えてきちゃってさ〜」

『そっかー…』



大学時代ずっと共に過ごした月姫と久しぶりのテレビ電話。


離れたところに暮らしてるから会うことは少ないけど、私達はたまにこうやって電話をする。



「月姫はどうなの?新婚生活順調?」

『うん!今は蒼空さんが帰ってくるの待ってるところ』

「あ、その顔ムカつく」

『えへへ』



分かりやすく月姫の頬が緩むから、本当に幸せでいっぱいなんだろうなってことが伝わってくる。



「いいな〜私も桜井さんくらいカッコイイ人と結婚したいや」

『そういえば、千恵の職場にいるんでしょ?カッコイイ人。その人とはどうなの?』

「あー…社長の息子ね。
それはもう超絶カッコイイよ、『顔』は。」

『その言い方……もしかして他に欠点あり?』

「んー…。欠点というか、」



と。ここで電話越しに聞こえてきた物音。

その音と同時に月姫は『あっ!』と、とても嬉しそうな笑みを浮かばせて反応した。

どうやら桜井さんが帰ってきたみたい。