(本当に同い年? なんか、迫力が違いすぎる……)
 セシリアも美少女のはずだが、中身は平凡な日本人だ。つい、そのオーラに圧倒されてしまう。
 彼女はゆっくりと中央に歩み寄り、その水晶に手を翳した。淡い光が宿り、周囲を優しく照らしている。
「おお……」
「何とすばらしい……」
 周囲はざわめき、口々に王女を讃えている。
 同じ受験生たちも感嘆の声を上げていたが、もっと光り輝くと思っていたセシリアは、思っていたよりも地味な光り方に少し戸惑っていた。
(なんというか、常夜灯みたいな感じね)
 自分なら、この会場を照らすほどの光を灯すことができる。
 そんな予感があった。
 おそらく魔力を抑えていないセシリアなら、それくらいの魔力を持っている。
 だがそんな王女の魔力でも、この国では最上級の魔力の持ち主らしい。
 次は王女殿下の守護騎士である、侯爵家の次男だった。
 金髪碧眼の儚い系の美少年だったが、それなりに魔力はあったらしく、水晶はぼんやりと光った。
 王女よりも背の低い小柄な少年は何とも可愛らしい。