「不釣り合いすぎでしょ……」



女の子たちの会話が聞こえて、びくっと肩が跳ねた。

自分の地獄耳が、恨めしい……。

でも、そう思われて当然だ……。



「あいつが相手してもらってるなら、あたしたちもいけるんじゃない?」

「確かに。あたしたちのほうが余裕で可愛いし」



ゆっくりと、女の子たちがこっちに歩み寄ってきた。



「獅夜くん、おはよう……!あたし、クラスメイトの麻衣なんだけど、知ってる?」



そう言って高良くんに話しかけたのは、クラスで一番可愛いと言われている高橋さんだ。

私は邪魔にならないようにと思って、肩を縮こめた。



「……」

「獅夜くん?」

「俺に話しかけんな、ブス」

「……っ!?」



高橋さんが、大きく目を見開いた。その顔が、みるみる赤く染まっていく。

ぶ、ブスなんて……。