私の隣の席に、すとんと座った高良くん。

え、えっと……。その席は、他の人の席だから、ダメだと思うっ……。


高良くんの席は、窓際の一番後ろ。こことは逆方向だ。高良くんも自分の席じゃないとはわかってるはずだけどっ……。

そう思った時、ちょうど隣の席の男の子が教室に入ってきた。

その人は自分の席に高良くんが座っているのを見て、驚きながら顔を青くしている。



「お前、ここの席のやつ?」

「は、はい……!」

「代われ」

「ひっ……!ど、どうぞ……!」



その人は逃げるように、別の席に走っていった。

あ、あはは……。



「か、勝手に席替えして、大丈夫でしょうか……」

「へーき。あの担任は文句言わないだろ」



た、確かに、先生はそういうのに厳しくない人ではある。



「ねえ、なんで獅夜くん玉井さんといるの……?」

「あのふたり、どういう関係?」