高良くん、歩いているだけでこんなに目立つなんて……毎日大変そうだなぁ。
ずっと陰側で生きてきたから、日向側の人の気持ちを疑似体験した感覚だった。
高良くんが学校に来たがらない理由が、少しわかった気がする……。
こんなにみんなに見られていたら、気が休まらないだろうなっ……。
私もできるなら、いますぐにこの状況から抜け出したい。
教室に着くと、騒がしさは一層増した。
高良くんが登校してきたことに、クラスメイトの皆さんが大慌てしている。
「え、獅夜くん……!?」
「やば……なんでいるの……!?」
こそこそと話している声が聞こえて、アイドルみたいだな……と思った。
校内ではアイドル的存在みたいだから、あながち間違ってないのかな、あはは……。
「まーや、どこの席?」
「あっ、私はここです」
「じゃあ俺はここ」