【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

前の溶かされるみたいなキスとは違って、少し乱暴な口付け。

高良くんの大きな口が、がぶりと私の口を覆った。本気で食べられちゃうんじゃないかと心配になって、思わず情けない声が漏れる。

き、キスはしないって約束なはずっ……。



「ま、待ってくださっ……」



どんどんと、高良くんの胸を叩いた。

すると、高良くんはゆっくりと唇を離してくれる。


息切れしている私とは対象的に、何事もなかったみたいに余裕の表情を浮かべている高良くん。

肩を上下させながら呼吸を整えている自分が、恥ずかしくなった。



「さっきの弱そうな男、誰?」



じっと私を見ながら、そう聞いてくる高良くん。

さ、さっきって……岩尾くんだよね……?



「あの、幼なじみです……」



酸素を求めてすぅっと息を吸ってから、質問に答えた。



「仲良いの?」

「えっと……全く……私が嫌われてて……」