【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

高良くんが拳を離した後の壁には、うっすらヒビが入っていた。



「た、高良くん……」

「まーや、あっち行こ」



私の手を握って、歩き出した高良くん。


きっと……助けてくれたんだよね……?

私が、岩尾くんに怯えてたから……。



周りにいた人たちの視線が、私たちに集まっていた。

恥ずかしくて、視線を下げながら手を引かれるまま高良くんについていく。







高良くんの目的地は、補習が行われている空き教室だった。

中に入って、私を壁に押し付けた高良くん。

でも、さっきの岩尾くんとは違って、もたれるみたいにそっと優しく押し付けられる。



「た、たから、くんっ……」



岩尾くんのことを説明しようとしたけど、その口を高良くんに塞がれてしまった。

ど、どうしてっ……。

またキスをされてしまって、私の頭の中は一気にパニックになる。