あの言葉を言われた日は、その通りだなぁって納得して、そんな自分に悲しくなって泣いたんだ。
『ま、まあ、俺は仲良くしてやってもいいけど?』
岩尾くんはああ言ってくれたけど、意地悪なことをされるのが目に見えていたから、恐怖でしかなかったな……あはは……。
「たーま」
廊下を歩いていると、低い声が聞こえてびくりと大きく肩が跳ね上がった。
きょ、今日も、逃げるのを忘れてたっ……岩尾くんのことは考えてたのにっ……。
「い、岩尾くん……おはよう……」
「おー、朝から辛気臭い顔してんな」
きっと真っ青になっているだろう私の顔を見て、眉間にしわを寄せている岩尾くん。
「ご、ごめんなさい……」
「謝れって言ってねーだろ。お前はそれしか言えねーのかよ」
確かに、条件反射で謝ってしまっている気がする。