【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

そいつも俺を見て何やら驚いた表情をしていて、しまいには顔を青ざめさせた。



「あ、あの、本当にごめんなさい……!」



俺が怒っているとでも思ったのかもしれない。

俺はただ……そいつに見とれて、一瞬も目を離したくなかった。



「お前……」



さっきから、感じてるこの感情はなんだ。

こいつを見ていると、とめどなくその感情が溢れ上がってくる。


……ああ、わかった。



「可愛いな」



これか……。

いつもひとつ上の姉貴が口癖のようにペットに言っている、『可愛い』という言葉。

ペットに対しての可愛いとはまた違うけど、言いたいことはわかった。

愛おしくて、抱きしめたくなる感覚。

何かに対して「可愛い」なんて思うのももちろん初めてで、自分がそんなことを思う日が来るとも思っていなかった。

でも俺は今……こいつが可愛く見えて、仕方ない。