真面目そうな、いかにも優等生だという風貌をした女。
雑用をしているのか、プリントをまとめては角を留めている。
「いえ、私は全然……」
「まあ、委員長の代わりに、うちには手のつけられない問題児がいるけどなぁ」
「え?」
担任が、困ったようにため息を吐いた。
「獅夜だよ。全く学校に来ないし……困ったもんだよ……」
……うぜぇ。
問題児扱いされているのは知っているし、こんなやつを担任とも思っていないけど。
「まあ、もうやめるつもりなのかもしれないけどなぁ。やる気がない生徒がひとりいると、他の生徒まで悪影響を受けることがあるから……みんなが委員長みたいにいい生徒だったらいいんだけどな、はははっ」
だったら、もうしつこく家に連絡を入れるのもやめてくれ。
お望み通り、やめてやるから。
もともと、高校の行くつもりはなかった。