そして……全部岩尾くんのせいだとは言わないし、私が面白みのない人間だからかもしれないけど、友達という友達もできないまま高校生になった私。
高校こそは岩尾くんと別のところにと思って、わざわざ離れた高校を選んだのに……入学式の日、岩尾くんを見つけて絶望した。
偶然同じ高校になったのかわからないけど……岩尾くんは今も、私を見つけてはからかってくる。
クラスが離れたのだけが幸いだ……。
「なんでお前は俺の顔を見るたびに、嫌そうな顔するんだよ」
顔をしかめて、そう聞いてくる岩尾くん。
岩尾くんが嫌がらせしてくるからだよっ……と言い返す度胸は、小心者の私にはなかった。
「ご、ごめんなさい……」
「……ちっ、謝ってばっかだな。なんの謝罪だよ」
「岩尾くんの気分を、害してしまって……」
「……別に、んなこと言ってねーだろ」