「私からのハグなんかで喜んでくれるのは、高良くんくらいです」



むしろ、高良くんとハグしたいって人はごまんといるんじゃないかな……。



「なんでそんな自信ねーの?」



え?

高良くんを見ると、不思議そうな顔で私を見ていた。

自信がないのはその通りだけど、理由は考えたことがなかった。

私は地味だし、面白いことも言えないし、友達もいないし……クラスでも、底辺の人間だと思う。

こんな私が自信を持っているほうがおかしいから、そこに疑問なんて感じたことがなかったんだ。



「ま、今はいっか」



高良くんは自己完結したのか、そう言って至近距離で見つめてきた。



「これから俺に愛されて、自信つけていこうな?」

「……っ!?」



そ、そんな……。

私みたいな人間が、高良くんに愛されていいはずないのに……。