【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

「ほ、本当に何もないよ」

「嘘つくな」



た、確かに嘘だけど、岩尾くんに言うようなことじゃないし……関係のないことだから。

なんて言ったら怒られそうだから、言えないけどっ……。



「岩尾くーん!」



昨日と同じように、岩尾くんを呼ぶ女の子の声が聞こえた。



「ちっ……あいつらいっつもうざいな……」



岩尾くんは鬱陶しそうにしているけど、私はここぞとばかりに走り出した。

チャンスっ……!



「し、失礼します……!」

「あっ……!おい、待ちやがれ……!」



さっきの、昨日と同じ女の子かな……?ありがとう、女神様っ……!

心の中で感謝をして、私は猛ダッシュで岩尾くんから逃げた。



教室について、ほっと胸を撫で下ろす。

……って、ほっとしてる場合じゃない……!