【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

補習が終わってもぼうっとしてしまって、高良くんの告白が何度も脳裏をよぎって、あのキスの感触も……ずっと離れてくれなかった。


上の空で、学校までの道を歩く。

いつもなら岩尾くんと会わないように、校舎についたら教室まで急いで向かうのに、そんな習慣すら忘れていた。



「おい、たま」



廊下を歩いている最中、その悪魔ボイスが聞こえてハッとした。



「あっ……岩尾くん……」



ぼ、ぼうっとしてたっ……。

岩尾くんのことすら忘れるなんて、相当だ……。

高良くんのことで、頭がいっぱいになってる……。



「お前、何ぼーっとしてんだよ」



岩尾くんにそう言われて、ドキッとした。



「え……そ、そんなことないけど……」

「そんなことあるだろ。なんだよ、何があったか言えよ」



なぜか不機嫌そうに、眉間にしわを寄せている岩尾くん。