「嫌というか、こういうのは、恋人同士がするもので……」



嫌だと言い切れなかった自分が、もっと恥ずかしくなった。

私、すごく軽い、女かもしれない……。



「じゃあ恋人になって」



えっ……?

こ、恋人……?


好きだと言われた後だから、驚くことではないのかもしれないけど……私と高良くんが恋人なんて、ありえない。

容姿端麗を絵に描いたような人と、冴えない私が釣り合うはずない。



「俺はまーやが好き。まーやは?」



高良くんの瞳はいつもまっすぐに私を見つめてきて、目をそらすことも許してくれない。

私、は……。



「ご、ごめんなさい……わかりません……」



正直、こんなにも素敵な人に好きだと言ってもらえて、嬉しい気持ちはもちろんある。