【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

「いつも、ありがとうございますっ……」



嬉しくて、涙が溢れた。



「高良くん、生まれてきてくれてありがとうっ……」



私を——見つけてくれて、本当にありがとうっ……。


私の涙で、高良くんの服が濡れてしまう。

離れようとしたけど、高良くんが離さないというように強く抱きしめてきた。



「そんなん言われたの、初めて。……誕生日が嬉しいって思ったのも初めて」



高良くんの声も、心なしか震えているように聞こえた。



「まーやといると、初めてのことばっか」



泣いているわけではなさそうだけど、何かを噛みしめるように、きつく抱きしめてくる高良くん。


苦しいけど、今はそれが心地よかった。



「なあ、今日は俺の誕生日って言ったよな?」

「はい……!」

「じゃあ、一個だけお願いしたい」



お願い……?