【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

「あの、こんな素敵な部屋、いいんですか……?」

「うん。まーやのためにとった」



「先に風呂入っておいで」と伝えると、真綾が笑顔で頷いて浴室にかけていく。

浴室から「すごーい……!」という嬉しそうな声が聞こえて、口元が緩んだ。


愛おしすぎる。

こんな可愛い生き物がいていいのか。


俺も風呂に入ったら、今日は寝よう。

真綾とふたりきりの部屋だと、いろいろやばいから……できれば早く寝てしまいたい。

俺の理性が飛ぶ前に。


そう、思ったのに……。





「まーや、眠そうだけど寝る?」

「ま、まだ寝ませんっ……!」



ふたりとも風呂を出て、もう23時をすぎているのに、真綾が一向に寝ようとしない。

眠そうに何度も瞬きをしているのに、頑なにベッドに行こうとしなかった。


クリスマスイブだから、寝たくないとかか……?