【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

真綾を見つめて、微笑んだ。



「あの時より、今のほうがもっと好きだ」



比べ物にならないくらい。

もう、真綾のいない人生なんて考えられない。


俺の言葉に、また顔を赤くした可愛い真綾。



「私も……今思えば、あの時から高良くんのことが好きだったのかもしれません……」

「え?」



初めて聞く衝撃的な発言に、驚いて目を見開いた。



「ほんとに?」

「は、はっきりとはわからないです……ごめんなさい」



そう言った後、真綾は恥ずかしそうに俺を見つめてきた。



「でも、今は大好きだって、胸を張って言えます……」



真綾に夢中な俺は、その言葉に簡単に煽られる。

真綾の小さな耳に、口を寄せた。



「キスしたい」


真綾の耳は、一瞬にして真っ赤に染まった。



「だ、ダメですっ……!」