勘違いしている真綾に、慌てて首を横に振った。

泣きそうな顔も可愛いけど、不安にさせたくない。



「付き合うまで、キスしないって約束。……もう恋人だから、してもいい?」



俺が聞いたのは、そっちだよ真綾。


真綾の顔が、さっき以上に赤く染まった。


俯いた真綾は、そのままゆっくりと頷いた。


もう、俺を制御するものはなくなってしまった。



「好きだよ……まーや」



我慢してきた分、これからは覚悟して。

俺の全身全霊で、真綾のことを愛し尽くすから。



「ずっと俺のそばにいて」



そう言って、少しの間綺麗な瞳に見とれる。

ゆっくりと顔を近づけると、真綾がきつく目を瞑った。


ふっ……そんな可愛いことされたら、ますます我慢できそうにないけど。

俺は自分の唇を、真綾のものに重ねた。


初めて、両想いになった相手とのキスは……俺に極上の幸せを与えてくれた。