俺の気持ちが完全に伝わっていないことへの焦ったさと、信用を失ってしまったことへの後悔と……真綾が素直に辛かったと言ってくれたことへの喜び。

真綾が俺といない時間を寂しがってくれていたことは嬉しすぎるのに、歯がゆくて素直に喜べない。


最悪だ……。今更ながら、なんであんなことをしたんだと悔やむ。

こんなことになるなら、気を惹こうなんてしなければよかった。



「絶対に俺だって。」

「……私です」



あー……もう、可愛いな。

さらにぎゅっと抱きしめると、真綾が苦しそうにうっと声を出したから慌てて力を緩めた。



「あの、高良くん」

「ん?」

「交際するにあたって……ひとつだけ、お願いがあります……」



お願い?



「うん、なんでも言って」



真綾からのお願いなら、なんでも聞いてあげる。

そんなことを思っている俺を、目を潤ませながら見つめてくる真綾。