【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

「あ、あの、私の名前……」



先生に頼まれた時も思ったけど……どうして知ってるんだろう……?



「あー、調べた。玉井真綾」



フルネームで呼ばれて、それだけのことなのに、心臓がまた跳ね上がる。



「まーやって呼びたい。いい?」



身長が高いから、威圧的に見えてしまう獅夜さん。そんな彼が、私と視線を合わせるようにかがみながら、そう聞いてくる。

甘えるような聞き方に、言葉が詰まった。



「俺のことは高良って呼んで」



し、下の名前で?

そんな、無理だよっ……。



「呼んでみて、ほら」


優しい声で催促されて、断りきれずゆっくりと口を開く。



「た、高良、さん」

「さんづけはダメ。よそよそしいだろ」



で、でもっ……。



「男の子を名前呼びしたことがないので、急には……」



恥ずかしいし、慣れない……。