【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜



「押してダメなら引けって聞いて……」



それで、女の子と仲良くしてたってこと……?



「本当にガキみたいなことしたと思ってる。ごめん……。他の女とは何もしてないし、腕触られたくらいでそれ以上のことは誓ってしてない」



高良くんの声色は本当に申し訳なさそうで、嘘をついているとは思えない。



「俺が好きなのはまーやだけ。信じてほしい……」



苦しそうに訴えてくる高良くんの声に、胸が痛んだ。

高良くんは本当に……まだ、私のことを好きでいてくれてるのかな……。



「ごめんなさい……」



私の返事に、高良くんがびくりと震えたのがわかった。



「やっぱり……信じられなくて……」

「まーや、俺は——」

「だ、けど……」



震える声で、なんとか私も自分の気持ちを言葉にする。



「……けど?」

「高良くんの、その言葉が……」



これを言ったら、どうなってしまうんだろう。

怖い。だけど……いつも私は怖がって逃げてばかりだ。