【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

「……」

「まーや、答えて」



高良くんは急かすみたいに、ぐっと顔を近づけてくる。



「違います、は、離してください」

「顔にそうだって書いてある」

「……っ」



言い逃れできそうになくて、苦し紛れの抵抗をするように俯いた。

高良くんの言う通りだ。

私は……ずっと嫉妬してた。高良くんの周りにいる女の子や、彼女さんに。


高良くんを信じられなくて、自分から離れたくせに……。


自分の情けなさに涙が滲んだ時、高良くんが強く抱きしめてきた。



「……ごめん。他の女と一緒にいたのは訳があって、本当に違うんだよ」



わけ……?



「本当に誤解だから。……いや、誤解っていうか……全部謝るから、俺の話聞いて」



抱きしめたまま、話し始めた高良くん。



「言い訳になるけど……真綾の気を引きたかった」

「え……?」