【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

こんなことをしても、真綾の気が引けないことはわかった。

だったら、もう意味はない。



「えっ……なんで急に冷たいの……?」

「俺に触るな。消えろ」



次は……どうすればいい?

真綾はどうすれば、俺を意識してくれる?

全部言う通りにするから、誰か教えてくれ。



「おい、とっとと散れよ」



聞こえた声に顔を上げると、ヤンキー女二人が俺の周りにいる女を睨みつけていた。



「ひっ……!」



怯えたように声を漏らして、走っていった女たち。

よく見ると、ヤンキー女の後ろには一週間ぶりに見る姉貴の姿があった。



「元気かい、愚弟」



多分、こいつらは姉貴の下っ端かなんかだろう。

姉貴はレディースの頭をしてるらしく、いつも下っ端たちを従えて喧嘩をしているらしい。



「最近女遊びばっかしてるみたいだけど、気分はどう?」