【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

普段ならガンを飛ばして近寄らせないようにするけど、今日は近寄ってきた女を好きなようにさせた。

すると、他の女もわらわらと寄ってきて、俺の周りを囲み出した。



「獅夜くん、どうして今日は拒否しないの？」

「あたし、獅夜くんと話してみたかったんだ～」



返事はしなかったけど、拒絶もしない。


……あ、いた。


真綾の姿を見つけて、俺は気づかないふりをした。

視線の端で、真綾がこっちを見ているのを確認する。


これでいい。……はずだ。


ただ、真綾の気をひくためと思っても苦痛だった。

真綾を好きになってから、女嫌いもましになったと思っていたけど……やっぱり無理だ。寒気がする。

改めて、真綾が特別だということに気づかされた。


とりあえず、押してダメなら引いてみろで当分は真綾に近づかないようにするけど……いつまで持つかわからない。