【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

こいつは多分、恋愛経験は多いはずだ。

普段は鬱陶しくて適当にあしらっているけど、今は手段は選んでいられない。



「……どういう意味?」



姉貴に助言を求めるなんて、生まれて初めてだった。

この調子だと、俺の初めてはほとんど真綾に捧げることになりそうだった。



「押してダメなら引いてみろ、よ」

「……」

「恋愛の基本中の基本よ!あんたは初恋だから、知らないでしょうけど」



俺は姉貴が帰った後、押してダメなら引いてみろについて調べた。


その中でもいろんな作戦があって、他のやつはこんなにも回りくどいことをしているのかと若干引いた。

でも、今はそんなことも言っていられない。

真綾に好きになってもらうためなら、俺はなんだってする。



次の日、俺は即行動に出た。



学校に行くと、いつも怖いもの見たさで俺に話しかけてくる女子生徒がひとりはいる。