【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

それに、あのまま教室にいたら……真綾が嫌がることをしてしまいそうだったから。

抱きしめて、無理矢理キスをして……真綾を泣かせてしまう気がした。そんなことをしたら、もっと嫌われてしまう。

もう、あの笑顔を俺には向けてくれなくなるかもしれない。真綾から嫌われたら……俺は生きていけない。

今更真綾なしの人生なんて、考えられなかった。


諦める気なんてさらさらなかったけど、これ以上嫌われたく無いという想いから俺は潔い男を装ってあの場から去った。






その日の夜。

家に帰って、ソファに寝転びながらぼーっと天井を眺めていた。


もう一緒にいたくないって思われるくらい、嫌われてたのか……。

真綾以外の誰に嫌われたって、なんとも思わない。むしろ嫌われてるくらいでちょうどいい。

でも……真綾に嫌われるのだけは耐えられなかった。