真綾はそんな、突き放すような言い方をするやつじゃないから。


何かあったのか……?



「それが、まーやの正直な気持ち?」

「はい」

「……わかった。今は俺のこと好きじゃなくてもいいから、これからも頑張らせて」



答えは急がない。だから……そばにいてほしい。

説得力がないかもしれないけど、俺はいくらでも待てる。



「俺はまーやのこと、絶対に諦めないから。まーやしか好きになれない」

「……ごめんなさい」



ゆっくりと、顔をあげて俺を見た真綾。



「もう……一緒にいたく、ないです」



あの時の真綾の顔が、脳裏に焼き付いて離れない。


本当はすがってでもそばにいることを許してもらいたかったけど、動揺しすぎてすぐに教室を出て行った。


声も手も震えていたし、情けないところは見せたくなかったから。