あの、プライドの高い岩尾くんが……。


信じられず、目を見開いて岩尾くんを見つめる。

岩尾くんは恥ずかしそうにしながらも、言葉を続けた。



「これから……優しくできるように、するし……」



岩尾くんが、そんなことを言ってくれる日が来るなんて……。



「ちゃんと正直になるって決めたんだよ……だから、俺にもチャンスをくれ」



まっすぐ私を見つめながらそう言った岩尾くんは、突然ガシリと手を掴んできた。

そして、強く引き寄せてきた。


岩尾くんに抱きしめられて、体がこわばる。

い、やだっ……。



「は、離してっ……」



どうしてだろう……高良くんとのハグは、あんなにも安心感があったのに……。

こんな言い方、岩尾くんに失礼だけど、今はただただ嫌悪感しかなかった。

いやだ、怖いっ……。



「お前がいいって言うまで、離さない」