【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

もう嘘はつきたくなかったのと、岩尾くんに離れてほしいなら、本音を伝えたほうが早いんじゃないかと思った。



「あんなやつやめとけって言ってるだろ。俺にしとけよ」

「……」

「俺のほうが……大事に、してやるし」



いつも自信満々に話している岩尾くんが、たどたどしい口調になっていた。

大事に……。


大事にしてくれるなら、誰でもいいわけじゃない。



「ごめんなさい……」



岩尾くんはずっとモテていたし、高良くんと同じくらい女の子も選びたい放題だと思う。

だから……もうほんとに、私みたいな人間にかまわないでほしい。

岩尾くんのこと、嫌いってわけじゃない。でも……好きには、どうしてもなれない……。

やっぱり、怖い、から……。



「岩尾くんのことは、きっと何があっても恋愛感情として好きになれま、せん……」