まだ1年の二学期なのに……。
困ったように、ため息をついた担任の先生。
「だからなんとかして出席させようとしたんだが……あいつが、玉井真綾が見てくれるなら受けるって言い出して……」
先生から聞かされた事実に、驚いた。
どうして私の名前を出したのかは、わからないけど……。
「……わかりました……」
そんなふうに言われたら、無理ですなんて言ってられない……。
先生が、目を輝かせて私を見た。
「いいのか?」
本当は怖いし、できるなら会いたくはなかったけど……獅夜さんを見放すことはできなかった。
「クラスメイトが留年になるのは、悲しいので……」
せっかく同じクラスになれたんだし、留年になったらきっと獅夜さんのご両親だって悲しむ。
私が補習を見ることで、留年を回避できるなら……力になりたい。