高良くん……。


今日も今日とて、女の子を連れて歩いている高良くん。

やっぱり、彼女さんじゃない人だ……。


高良くんのほうも、ちらりと私のほうを見た。

久しぶりに目があって、それだけのことなのに心臓が大きく高鳴ってしまう。

それと同時に、思い知らされた。



私はまだ全然……高良くんのことを忘れられてないんだって。

この人が——大好きだって。



興味なさそうに、視線を逸らした高良くん。



「……っ」



その反応に、張り裂けそうなくらい胸が痛んだ。


もう関わらないでって言ったのは私だ。

だから……私に傷つく資格なんてない。

気にしないふりをして、廊下を進む。



「獅夜くん、どこ行くの~」

「今日はあたしと遊んでよ!」



女の子たちの声が聞こえてきて、耳を塞ぎたくなった。

聞きたくない……。