学校に行くのが、憂鬱だ……。

重たい足取りで、通学路を歩く。



私のクラスに行くには、岩尾くんの教室の前を通らないといけない。

急いで通り過ぎようとした時、中から岩尾くんが出てきた。



「たま……!」



すぐに逃げようとしたけれど、腕を掴まれてしまう。

そして、昨日の告白が現実だったことを改めて自覚する。



「お前、昨日逃げやがって……」



怒っている岩尾くんが怖くて、腕を振りはらえなくなった。



「ご、ごめんなさい……」

「……ちっ、別に怒ってねーし」



そう言いながら、不機嫌そうな態度は崩さない岩尾くん。

どうやってこの場から逃げようと思った時、窓から正門が見えた。

門をくぐり、歩いてくる人の姿に目を疑う。


高良くん……。


私が驚いたのは、高良くんが学校に来たからじゃない。

その周りに……女の子がたくさんいたから。