【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

いつもなら、岩尾くんが怖くて突き放すようなことは口にできないけど……今日ばかりはそんなこと言ってられない。

とにかく、ひとりになりたい。



「放っておけるわけ、ないだろ」



なのに、岩尾くんは私の気持ちを無視して肩を掴んでくる。



「あの男か?」

「……」

「獅夜だろ?なんで泣かされたんだよ」

「違う……岩尾くんには、関係ないよっ……」



岩尾くんに反論するなんて、自分自身に驚いた。



「関係あるっつーの……!」



大きな声で、そう言った岩尾くん。

驚いて、思わず顔を上げる。

視界に映った岩尾くんは……顔を赤くしながら、切羽詰まった表情をしていた。



「俺はなあ……」



口を開けては閉じ、開けては閉じを繰り返し、なかなか先の言葉を言わない岩尾くん。



「お、まえの、ことが……」