いつもは放課後が待ち遠しいのに、今日は時間が経たないでほしいと願っている自分がいた。
今日が終わったら、補習の時間も終わってしまうから。
会えなくなるわけではないけど、補習の時間は特別な時間だった。
最初は、怖いなって思ってたのに……こんなふうに思う未来が待ってたなんて。
高良くんと、もっといたいって……どうしても思ってしまう。
私は……卑怯だ。
毎日気持ちを伝えてくれる高良くんに、まだ答えが出せないでいるのに、一緒にはいたいなんて……なんてわがままなんだろう。
それでも、今はっきり言えるのは、一緒にいたいってことだけで……。
それを伝えたら、高良くんを困らせてしまうかな……。
思い切って……言ってみようかな……。
体育の授業が終わって、教室に戻る。
更衣室は男女離れた場所にあるし、体育も男女別だから高良くんがそばにいない時間。