【完】溺愛したりない。〜獅夜くんは容赦ない〜

私の手を握って、歩き出した高良くん。

まだ痛みをこらえている岩尾くんを置いて、高良くんについて行った。


教室に行くんだと思ったけど、高良くんが向かったのは補習を行なっている空き教室だった。



「大丈夫か?」



中に入ると、椅子に私を座らせて、心配そうに聞いてくれた高良くん。

まるで小さい子に聞くみたいな優しい声色に、心臓が高鳴ってしまう。



「は、はい……」

「ならよかった」



安心した様子で、ほっと息を吐いた高良くん。


高良くんがどれだけ心配してくれたかがわかって、思わず視線を逸らしてしまった。



「……ん?なんで顔赤くなってんの?」



えっ……。

言われて初めて、自分の顔が赤くなっていることに気づいた。


自分でも、どうして照れているのかわからない。

ただ……本当に大事にされているんだなって、実感してしまって。